小菊栽培の様子

今年は欲張って、小菊も撮ります。盆花として重宝されている小菊ですが、摘花し店頭に並ぶまでにはどんな作業があるのでしょう?
先日訪れたハウスです、3月29日に植えて、現在は4センチぐらいになったところです。
本当は黒い覆い(寒冷紗=かんれいしゃ)をかけてあったのですが、中の様子をのぞかせてもらいました。これは8月の旧盆に出荷時期を合わせるそうです。

4月23日(木)小菊定植

Kさんどうしてるかな、また突然だけど富来へ行く前に寄ってみよう。
畑が見えてきました。人がいる、作業している。
「Kさーん、今何しとるん?」
タンクに繋いだ長いホースで、丸い穴にピンポイントで水をあげていました。
作業の友はボリューム大のラジオ放送です。
ある程度水で湿らせたら、ハウスで育てた小菊の苗をぎゅっと軽く押さえて植えていました。土を湿らせた方が作業しやすいのだそうです。
「おら、失敗した。この苗、茎がスカスカなんや。いくつも花をつけたら茎がもたんがになる」
聞くと、本人も理由はわからないそうで、育てることの難しさを垣間見た気がしました。
富来に相談できるお師匠様がいるそうなので、少し安心しましたが・・・。
だけど、こんな時こそ、うちの営農指導員に聞いてくださいよ。
次回は連休明けに来い!とのことなので、また行ってきます。


5月9日(土) 晴れ 小菊芯切り

今日は、きっちり約束してから行きました。前回、「連休明けに来なさい!」と言われていたのに7日、8日と行けず気になっていたのです。
9時半すぎに到着すると、作業は終わっている様子でした。(ガーン(>_<)作業風景が撮れないじゃん)
でも、私がいない間の作業の話をしてくれました。
息子さんのお嫁さんにも手伝ってもらい、ピンチ(芯切り)をしたそうです。ピンチをすると、その周りから新しい芽が出てきます。元気な芽を3〜4本残して、あとは落としてしまいます。Kさんは、‘仕立てる’と表現していました。

 

この畑には新盆用(7月)と旧盆用(8月)が育てられています。
新盆用は、去年の10月に挿し芽をしたものです。旧盆用のハウスぬくぬく育ちとは、育て方が大きく違うのですね。
畝の間には下葉をとった跡が見えました。これは、病気にならないように風通しを良くしているのだそうです。
あと、「身長差けっこうあるね!」という私の問いに、背丈にバラつきがあるのは自然のことで、背丈の高いものが低いものを守って一緒に育つのだそうです。(なんだか、動物の群れのよう。)でも、今年は極端かな?と言っていました。ちょっとした変化・違いに敏感でなければ、良いものは作れないのだろうと思いました。

Kさんは、次の用事があるらしく10分程で畑から離れてしまいました。
私に話を聞かせるためだけに、来ていてくれたのですね。


6月4日(木) 晴れ 下葉かき

あれから一週間、ひばりのヒナは元気にしてるかな。富来の展示会の帰りにふらっと寄った時には、2羽の姿を確認しました。羽根の模様がはっきりしていました。

Kさんが畑にいました。まずヒナを確認しなきゃ。トコトコトコ、ん?巣に姿がありません。
「Kさーん、ヒナはどこ?」
実は、私が見た次の日の朝からひばりの親子は巣に戻っていないそうです。巣立ってしまったようです。シリーズ‘ひばりの親子’はあっけなく終了です。
Kさんは私よりも長く接した分、寂しさもひとしおです。

 

では、小菊に話題を戻します。

右から、花エクボ[赤]、新山(しんざん)・はじめ[白]、あけみ[黄]、七夕飾り・新七夕[黄]
という品種だそうです。

葉の色を見ても、品種の境目がわかります。‘花エクボ’の葉は特に色が薄く、きみどりに見えませんか。

また、右から2列目の‘はじめ’は、つぼみがつくと葉が深い緑に変化するそうです。Kさんは、つぼみが膨らむことを妊娠と言っていました。なるほど〜、わかりやすい!
愛着を持って、作業しているからこその表現だなと思いました。
その隣の‘あけみ’は茎が太い品種で、花もボリュームがあるものをつけるそうです。

私への教授がすむと、作業の続きを再開です。
『下葉かき』
ごくろうさん、たいそやったな。と思いながら作業しているそうです。次の世代へバトンタッチです。いつまでも下葉があると風通しが悪く、病気が出てしまうのです。

「おら、花に人生教えてもらっとる。」本日のひと言に認定いたします。


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